セーヌ川で休憩した後は、ポーランド博物館へショパンに会いに行きました。
ここには、ショパンが弾いたプレイエルのピアノ、手書きの楽譜、手書きの手紙、金髪の髪の毛、ショパンが座っていた椅子、真っ白な皮の手袋、デスマスク、手のオブジェ、肖像画などが置かれた「ショパンの部屋」があります。
博物館の入口の扉を開けようとしたら、鍵が閉まっていました。
諦めきれずに、必死に扉を開けようとしていたら、中からムッシューが出てきて、
「ショパン?」と聞くので、
「はい、ショパンの部屋を見せて下さいますか?」と言うと、
「2階にあるよ。」と入れてくれました。
1人、この部屋に入った途端に、感極まって涙が溢れてきました。
なぜかその時、ショパンの存在を感じたからです。
ずっと子供の頃からショパンの作品を弾いていたので、これまでの人生と重ね合わせて、その場で確かめたかったのかも知れません。
私は、ショパンに会いに、このパリにやって来たのだと確信しました。
この部屋に、時間を忘れるくらい長い間居たのだと思います。
それは、一生忘れられない時間となりました。